第1話
『消費者は判ってくれない』(前編)
作画:宮島健太郎
原作:小林真
※この漫画は飯塚社長の体験談をもとに脚色・小林が再構成、
作画・宮島によって描かれたフィクションです。
人物などはかなり脚色してありますが、ここで語られている
野菜についてのあれこれは「現実」としてご理解ください。
緑豆もやしのもんちゃん、黒豆(ブラックマッペ)もやしのもーやんについてはこちら
「もやしについて私が知っている二、三の事柄」
原作・小林 真
かつて主流だった黒豆(ブラックマッペ)もやしは、1980年代から「太い・白い・シャキシャキしている」緑豆に取って代わられ、正確なデータはありませんが現在では9:1くらいの割合で日本では緑豆もやしが多く食べられています。
もやしの原料である黒豆と緑豆は、現在ではほぼ100%が輸入。緑豆はほとんどが中国でつくられています。
したがって国内で食べられるもやしの種のほとんどが中国産。輸入される豆は農林水産省のきびしいチェックを受けています。なお、農林水産省の規格では種の表示義務はありません(飯塚商店は消費者への正しい情報を開示するため、「原料:緑豆(中国産)」と記載しています)。
2007-08年の中国製冷凍餃子中毒事件以来、中国製品の安全性が疑問視され、一時は緑豆の輸入もストップ。国内もやし業者はこの時期、備蓄を頼っていました。
日本社会全体に中国製品バッシングの嵐が吹いたのは、まだ記憶に新しいところ。上に書いたように種の表示義務はありませんから、実際は中国産の種なのに表示されていなかったために売上を伸ばしたという、笑い話みたいな事例もこの頃の業界にはあったそうです。
その後、中国側の商品のトレーサビリティを強化するなどしたため、現在では中国産野菜の輸入量も回復しています。
参考サイト:
農林水産省のHP「生鮮食品の表示について
(原産国表示については14P)
日本の食卓からもやしが消える? 原料豆を中国が輸出ストップ
(J-CASTニュース2008年4月4日)
中国産野菜:2年7カ月ぶり、輸入増 安さで需要回復--3・4月
(毎日新聞 2009年6月5日 東京朝刊 公開期間限定)