【畑で成長したもやしがいよいよ旅立ちます】
深夜の0時過ぎ、もやしの栽培枠はムロから外に出て、洗い場水槽の前で開かれます。もやしが初めて外の世界を見る瞬間です。
栽培枠の扉を開けた瞬間、しっかりと育ったもやしが一気に飛び出してきます。
この量でおよそ1トンほど。売られている小袋(200g)ですと、5000袋分になります。それを地下水を汲み上げた大きな水槽に落とし、ゆっくりとかくはんしながらひげ根や殻の部分を取り除いていきます。
この後、洗われたもやしは包装ラインに乗せられて、包装、仕分、各市場へと出荷されます。
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【もやしを愛するものとしての本音】
このようにもやしは洗浄されるわけですが、正直に言いますと、これは昭和の頃のもやしの洗い方であり、少し「洗いすぎ」の感があります。一度洗うことでもやしに付着している雑菌を落とし、品温も下げますので、そのまま冷蔵すればもやしを長く持たせるのには効果があるでしょう。しかし水の中でもやしを激しく動かすことで、もやしも傷みますし、野菜の旨味が流れてしまいます。
私は出来ることならもやしを傷つけること無い最小限の洗浄で済ませて、そしてそのまま出荷できたら・・・・・と願ってます。そうなると最も理想なのは、こういった機械を使わぬ『手洗い洗浄』しかないのですが、もやしの生産性が著しく低下しますので、安いもやしが提供出来なくなります。このあたりのバランスはもやし生産者の本当に難しいところです。
食べていただける皆様のご理解さえあれば、ありのままの姿でお出ししたい
・・・と、いうのがもやしと共に生きてきた私の本音です。